UCT たかし先輩のK8s作問
問題名
たかし先輩のK8s作問
問題文
ICT大学に入学したあなたは、高校の先輩であるたかし先輩に誘われてトラブルシューティングコンテスト部に入部しました。
たかし先輩は次のコンテストでネットで話題のKubernetesを使って出題したいらしく、minikubeを使ってKubernetesを構築し勉強用にproblem.yaml
だけをapplyしたそうです。
しかし、applyしたproblem.yaml
はエラーを出して動作しないそうです。
このままだと作問期日に間に合わせることができないと、あなたに泣きついてきました。
ただ、マニフェストはサンプルをそのまま書き写したはずなのでパラメータを変更しなくても動作するはずだと、たかし先輩は言い張ります。
何とかしてマニフェストが動作しない原因の究明とマニフェストのリソースが正しく動作するようにしてください。
ところで、サンプルマニフェストも動かないのに、たかし先輩は作問できるのでしょうか?
前提条件
- problem.yaml のパラメータを 追加・変更・削除 してはいけない
初期状態
kubectl apply -f problem.yaml
をuser
のホームディレクトリで実行してもマニフェストがエラーになる
終了状態
kubectl apply -f problem.yaml
が成功するproblem.yaml
で定義したリソースが正しくデプロイ・動作し、http://"minikubeのIP"/apache
,http://"minikubeのIP"/nginx
にアクセスするとapache/nginxそれぞれのデフォルトページが表示される
問題環境
Ubuntu22.04に対して、minikubeをインストールしただけの状態。
インストールスクリプトとproblem.yaml はGitHubのリポジトリに用意した。
この状態で、 kubectl apply -f problem.yaml
を行う。
解説
概要
YAML1.1では y
や n
などの値がBooleanとして解釈されるため、安易に一文字変数を使うとリソースが作成できません。
docker composeなどでも怒られます。
また、ベアメタルなKubernetesはマネージドと違ってIngressコントローラーが用意されていないので自分でデプロイする必要があります。
解答
kubectl apply -f problem.yaml
を行うと、Ingressが謎のエラーを出します。
エラー文を読むと、 name: true
と出力されているためおそらくBooleanと解釈されていると推測されます。
Ingressの名前y
がBoolのtrueと解釈されるため、"y"
や'y'
と書き換える。
パラメータの変更ではなく、書式の変更であるとして前提条件で制限されていないとします。
apiVersion: networking.k8s.io/v1
kind: Ingress
metadata:
- name: y
+ name: 'y'
annotations:
kubernetes.io/ingress.class: "nginx"
nginx.ingress.kubernetes.io/rewrite-target: /
この状態でリーソースは展開できるが、終了条件のIngressにアクセスはできません。
Minikubeには Ingressのアドオンがあるため、これを有効にします。
自分でNginx Ingressリソースを展開してもよいはずです(problem.yaml
のパラメータに影響はないため)
minikube addons enable ingress
採点基準
- yamlの仕様を理解して修正が適用できている: 50%
- ingressが使用できる状態にしている: 50%